アジルテナガザルはインドネシアとマレーシアにのみ生息しているテナガザルの仲間。尾はなく、長い腕と指をもっているサルで、全身は真っ黒です。長い腕を用いて、枝につかまって振り子状に体を揺らし、腕わたりで機敏に移動できるサルです。このサルは人間による土地開発が最大の脅威になっており、大規模な森林伐採も行われ、生息数が激減し、絶滅危惧種に指定されています。
生息地
アジルテナガザルはインドネシアやマレーシアにのみ生息しています。
特徴
アジルテナガザルは体長40-60cmです。体毛は黒が多いですが、赤茶色もいます。眉部の毛は常に白色で、オスはさらに頬部の毛も白色。アジルテナガザルはとても運動能力が高く、木々の間をすばしっこく移動します。テナガザルは人間よりも手も細長く、手をうまく使って木を渡ることができます。アジルテナガザルは熱帯雨林を好んで生息しており、昼行性の動物です。アジルテナガザルは、他のテナガザルと同様で、集団で暮らしていることが多いです。なわばりを持ちますが、なわばりのアピールのために歌を歌います。
生態
アジルテナガザルは果実を食べ、他にも木の葉や花などの他、昆虫などを食べています。繫殖形態は胎生。妊娠期間7ヵ月で1回につき1頭産むことができます。子どもは2年程度は授乳期間があり、しばらく親とともに生活します。子供は8年程で性成熟をして自立していきます。飼育下では30~40年生きることができます。
絶滅危惧種
アジルテナガザルは主に熱帯雨林に住んでいるため、外敵があまりいません。最大の脅威は人間です。東南アジアは世界で最も開発が進んでいる土地で、土地開発や森林伐採が最大の脅威。アジルテナガザルは、ペット目的の密猟も問題になっています。生息地は急激に減少していることが分かっており、絶滅危惧種に指定されています。
飼育
アジルテナガザルは絶滅危惧種に指定されています。そのことから飼育はかなり困難です。動物園で鑑賞するか、東南アジアまで行ってみてください。
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