【世界の動物：ウシ】起源と歴史 生態と特徴

ウシは今や人間の家畜として、有名な動物となっています。人類史においてとても大きな役割を果たすウシは、西アジアやインドなどで飼育され始めたと言われています。ウシは人間にとってとても大きな役割を果たすことからとても重宝され、今も家畜動物として有名です。ウシはいつ頃人間によって家畜化されたのでしょうか。

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特徴

ウシは哺乳綱鯨偶蹄目ウシ科ウシ亜科の動物。ウシは世界各地で飼育されており、サイズもさまざまです。一般的な体高は100-200㎝で体重は600-900kgとされています。毛色は黒褐色、白、茶色などで大きな角を持っていたり、いなかったりします。ウシと比較的近縁の動物としては、同じウシ亜科においてキリンやシカがおり、ウシ科としてはヤギ、ヒツジなどがいます。ウシは人間社会に深く浸透しており、食用の肉となるほか、肥料などにも利用ができます。ウシの皮などは衣服やベルト、履物に使われ、ウシ自体も使役動物として農耕用や運搬用などに使われています。そのためなんでも利用できることから人間にとても重宝されている動物です。ウシは世界各地で飼育されさらに品種改良もされたことから、色々なタイプが存在しており、大きさもバラバラです。ウシは独自の社会構造を持ち、序列はなくフラットな関係性を持ちます。リラックスしているときは尻尾はまっすぐ垂らしていますが、怒っている時や不安なときは尻尾を両足の間に隠しています。楽しく、遊ぶときは、尻尾を直角に上げています。こうやって尻尾の角度によってウシの感情を察知することができます。また、捕食者の接近を事前に知ることができ、人間よりも幅広い周波数を拾うことができます。またウシは1日の半分の時間、横たわってのんびり過ごします。

生態

ウシは体格がとても大きいことから、予想がつく通り、とてもたくさんの食料を要します。ウシは毎日45Kgの草を食べ、115リットルの水を飲みます。毎日6時間以上餌を食べており、食事が生きがいです。ウシの繁殖時期はウシ属の野生牛に関しては時期が決まっています。12月から翌年1月の乾期に交尾して、9～10月に子を産みます。妊娠期間は280日ほどあり、1回につき1頭か2頭産むことができます。ウシの寿命は20年ほど生きることもあれば、5年程度で死ぬこともあり、種別によって差異があります。世界には約13億頭のウシがおり、800種もいるため、さまざまです。

起源

家畜としてのウシの起源は西アジアに生息していた野生のオーロックスです。オーロックスがインド人や中東人によって家畜化されたのが始まりで、これは新石器時代までさかのぼることになります。時期としては紀元前8000～前5000年ごろであり、メソポタミア地域で農耕文化が浸透したことにより家畜化されたと言われています。オーロックスは新石器時代にはヨーロッパからアジアの大部分、アフリカ北部にかけて生息していました。これをきっかけにウシはヨーロッパやアジア、さらにはアフリカでも家畜化されて飼育されることになったのです。

歴史

ウシは紀元前8000～前5000年ごろ西アジアで飼育されるようになり、その後シリアやインドなどでも飼育されるようになりました。インドでは紀元前2500年ごろ、そして中国では紀元前2000年頃には飼育されていたと言われており、実際に遺跡から出土しています。しかしウシはヒツジやヤギに比べると家畜化が遅れていました。理由はオーロックスはかなり獰猛な動物で、人間に反抗することもあったからです。しかしいったん家畜化されると、4大文明の地域において農耕生活における重要な動物になりました。ウシはやがて世界中で家畜化されます。8世紀になるとヨーロッパではウシが最も重要な家畜になりました。アフリカでは紀元前1500年ごろにはすでに飼育されていました。大航海時代になるとウシはヨーロッパ人によって新大陸にも持ち込まれ、現地でも家畜化されるようになりました。さらに近代になると科学技術の発達によって、ウシ肉を冷凍することが可能になったり、牧場の大規模化や効率化をもたらすことになり、ウシの飼育数は毎年増えています。

飼育

ウシは現在15億頭を超える数が世界中で飼育されています。その中でもブラジルとインドでの飼育数がずば抜けて多いです。インドではヒンドゥー教の影響でウシが神聖な動物であるとされ、あがめられています。ブラジルでは牧場開発がかなり盛んになったことでウシの飼育数が激増しています。ウシの飼育はかなり難しいです。狭い土地ではウシがストレスを抱えてしまうため、広大な土地が必要です。さらにはウシはよく食べ、よく飲みます。集合住宅や都市部で飼育することはまず無理です。