ナマケモノはなぜいつもゆっくり動いているのでしょうか。樹からぶら下がって、寝る、休む、食べるしかしないという動物で、怠け者の印象が強く残ります。しかしなぜ彼らはこのような生き方を選んだのでしょうか。これはナマケモノの今までの生きてきた環境が深く関与していることが分かっています。はじめから彼らはずっと怠けていたわけではないようです。
生息地
ナマケモノは中央アメリカから南米にかけて生息している動物。
特徴
ナマケモノは哺乳綱有毛目ナマケモノ亜目の動物です。ミユビナマケモノ科とフタユビナマケモノ科が現生し、他にいくつかの絶滅科があります。全長は40-50cmほどで、四肢は長く、前肢のほうが後肢より長く発達しています。ナマケモノはほとんどの時間を木の上で過ごしており、地面に降りるのは、1週間に1回ほどのトイレの時と、ぶら下がる木を変えるために移動する時のみです。ナマケモノはゆっくり動くことが最大の特徴で、木の葉を餌資源として利用します。1日に10gほどの植物を摂取しています。ナマケモノは1日20時間ほどの睡眠をとります。食事の量も少ないので出来るだけ多くの睡眠をしてエネルギーを溜めるためです。またナマケモノは全身に筋肉が無い動物として知られています。そのため、俊敏な動きはできません。現生ナマケモノはミユビナマケモノ科とフタユビナマケモノ科の2科に分類されています。
絶滅種
かつては約200万年前から1万年前に巨大ナマケモノが生息しており、メガテリウムは体長6-8メートル、体重は約3トンにも及ぶ動物でした。メガテリウムは地上性のナマケモノとしては最大級でありましたが、突如絶滅してしまいました。絶滅の原因ははっきりしていませんが、人間による狩猟ではないかと言われています。
なぜ怠け者なのか
ナマケモノには以下のような特徴があり、常にゆっくり動くという特徴を持っています。つまり、彼らは意図的に怠けているのではなく、生きていくうえでこのような生き方を選択しているのです。
変温動物
ナマケモノは実は恒温動物ではありません。外気に合わせて体温を変化させることにより代謝を抑えているのです。ナマケモノは周りの気温により体温が±5℃ほど前後する変温動物なのです。基礎代謝が低いことで、活発に動くことがありません。ナマケモノは運動をし過ぎると体内の熱エネルギーの発散が追い付かずに自分の熱で絶命してしまうことがあります。
擬態化
ナマケモノには当然外敵も存在します。ナマケモノはもともと、ゆっくり動くことしかできないことから、肉食動物に狙われてしまえば、死ぬしかありません。そのため、彼らが選択したのは木の上で動かないこと。彼らは動かないことで木の枝や葉に擬態しているのです。ナマケモノは時速16mしか移動できないため、捕まったら最後です。そのため、見つからないように敢えて動かないのです。
餓死
ナマケモノは食事を取っていても死ぬことがあります。ナマケモノの基礎代謝は極端に低いことから、食べ物をエネルギーとして吸収するまでに相当な時間がかかるのです。そのため、消化しエネルギーに換える事ができずその間に死ぬことがあります。
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