スローロリスとはバングラデッシュやベトナムなどに生息している霊長目ロリス科に分類される動物です。この動物はバングラデシュ、ベトナム、マレー半島、ジャワ島、ボルネオ島などに分布しており、南アジアなどで見ることもできます。スローロリスは絶滅も可能性がある動物で、ワシントン条約附属書Iに掲載されており、保護活動が必要になっているのです。
生息地
スローロリスは東南アジア西部から南アジアにかけて生息しています。
特徴
スローロリスは全長30-40cm、体重0.5-2kgあります。丸いフォルムの体に大きな瞳があり、羊毛状の短い毛が生えています。色は背中が灰褐色から赤褐色、前面は灰色をしています。足の指は5本あり、後脚の第二指はかぎ爪になっています。スローロリスは動作が非常にゆっくりなことから、昆虫や、小動物に気づかれることなく、獲物を捕獲する力を持っています。スローロリスは単独で生息し、生活のほとんどを樹木の上で過ごします。スローロリスは夜行性の動物です。昼間は木の洞などに体を丸めて眠っています。日没後は活発に動き回りますが、外敵から身を守るためゆっくりとした行動をとります。スローロリスは世界で7種類しか存在しない毒性哺乳類の1種です。上腕腺から出る分泌物を唾液と混ぜることにより、有害物質を生成します。
生態
スローロリスは樹液、花蜜、果物、昆虫、小鳥等を食べて生活をしています。繫殖形態は胎生です。繁殖時期は地域によって差異がありますが、1年中行われています。交尾は木の上で行われていて、妊娠期間は200日程度あります。生まれたばかりの子供はしばらく親と共に生活をします。子供は生後2年ほどで性成熟し、繁殖が可能になります。寿命は飼育下だと20年近く生きることが分かっています。
絶滅危惧種
スローロリスは東南アジア地域で生息数が減っています。理由は森林伐採による生息地の減少と天敵です。天敵は大型のヘビやフクロウ、タカ、オランウータンです。彼らに捕食されること多いため、生き残れる個体はそれほど多くありません。さらに生息地の減少から、生息地の分断も起こっており、孤立する個体群が増えているのです。スローロリスは絶滅危惧種に指定されており、さらにはワシントン条約附属書Iに掲載されており、輸出に制限がかかっています。現在人工繁殖などを試みており、アメリカに導入されたスローロリスなどは繁殖に成功しています。
飼育
スローロリスはワシントン条約にも掲載されており、輸出に制限がかかっていることから、入手はかなり困難な動物です。動物園で繁殖したものを譲渡してもらうしかありません。スローロリスを見る場合は動物園で鑑賞するか、東南アジアまで行ってみてください。
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