ホオアカトキは動物園に行くとよく見かける鳥の一つ。この鳥は飼育下では一定数が生息して居るものの、野生下では完全絶滅の可能性が高まっている危機的な状況にあるのです。乾燥地の河川や海岸沿いの崖や岩場に生息していることが多いこの鳥は、以前ヨーロッパやアフリカ全域で見ることができました。しかし狩猟と生息環境の変化により,急速にその個体数が減ってしまいました。
生息地
ホオアカトキはモロッコに生息しています。
特徴
ホオアカトキは全長80cm、体重1kgでペリカン目トキ科に分類される鳥類です。体色は光沢のある緑系黒色で、後頭部に長い房状の冠羽があります。顔や足、嘴は赤色。成長に伴い、頭部の羽が抜け落ちて禿げ上がる傾向にあります。ホオアカトキは河川や海岸沿いの崖や岩場に生息している鳥で、社会性がとても強く、群れを形成していることが多いです。ホオアカトキは乾燥した場所でも住むことがあります。寝るときは木の上で寝ていることが多いです。この鳥は外見がカラスに似ていることから、19世紀初め頃まではカラスの一種として考えられていました。
生態
ホオアカトキは動物食で、昆虫やカエルなどを食べて生活しています。普段は水辺などで食べ物を探していることが多いです。繁殖形態は卵生。ペアを作り、コロニーを形成します。木の枝、枯草、根などを組み合わせた巣を作り、4月ごろに2-4個の卵を産みます。抱卵期間は1か月程度。性成熟には3年ほどかかります。ヒナは43-47日で巣立ちしていきます。
絶滅危惧種
ホオアカトキは17世紀にはヨーロッパ東南部やアラビア半島にも分布していましたが,現在ではモロッコに少数しか生息していません。最大の脅威は人間で土地開発で生息数が減少したのです。スイス、ドイツでは17世紀に絶滅。エリトリアやスーダンでも絶滅が確認されています。トルコでは一部の保護区域で生息が確認されていますが、野生のものはモロッコにしかいません。ホオアカトキはワシントン条約付属書Ⅰに掲載されており輸出に制限がかかっています。さらにこの鳥は絶滅危惧種にも指定されています。1950年にスイスで繁殖が成功し、世界各国へ輸出されており繁殖計画が進められています。
飼育
ホオアカトキは絶滅寸前の鳥であり、一般人が手に入れることはまず不可能です。動物園で鑑賞するか、モロッコまで行ってみてください。
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